英国で唯一残っていた量産車メーカー名門ローバーが中国企業の傘下に入ることとなった(ここ)。奇しくも今日、この十年愛用していた散人のローバー・カブリオレが家を去っていった。ちょっと感傷的になった。
ローバーの歴史は英国における「南北問題」の歴史でもある。だいたいいい車は昔は全部英国で作られたものだったが、自動車メーカーは軒並み駄目になってしまった。ローバーにしてもホンダとの提携に活路を見いだそうとしたが、結局BMWに買収され、そのBMWからも見捨てられ、無手勝流で最後の踏ん張りを見せたが、ついに息が切れてしまった。英国ポンドが高すぎるためだ。
ポンドが高いのは、その方がシティー(金融業界)の利益に沿っているからだ。戦後英国の経済史は南部のシティー(ロンドン)の金融業と北部の製造業の利害対立の歴史でもある。産業界は安いポンドを求めたが、シティーは高いポンドを一貫して指向。結局英国政府はシティー(南部)を選び製造業(北部)を見捨てたのである。
散人のカブリオレはローバーがホンダと提携していた時代に設計製造された逸品である。エンジンなどの主要部分はホンダが製造し、内装トップなどは英国で仕上げた分業製作。デザインとコンセプトは日英共同開発であるコンチェルトという車がベースとなったと聞いている(この車は日本ではまったく売れなかったが徳大寺氏は高く評価していた)。パワーがあるホンダのエンジンは信頼性があり、何と言っても内装の英国調がとてもよかった。どんなに気分が落ち込んだときも電動トップを下ろして外気と一体になって走るといっぺんに元気になったものだ。
今回これを手放すことにしたのは(息子にやる)、散人の年齢のおかげ。ホイールベースの短いローバーでは長距離がどうしても疲れるようになってしまったからだ。寄る年波には勝てない。英国ローバーが元気の良い中国企業の傘下に入るように、散人のローバーも若者に面倒見てもらった方がよいのであろうと思う。
ポンドが高いのは、その方がシティー(金融業界)の利益に沿っているからだ。戦後英国の経済史は南部のシティー(ロンドン)の金融業と北部の製造業の利害対立の歴史でもある。産業界は安いポンドを求めたが、シティーは高いポンドを一貫して指向。結局英国政府はシティー(南部)を選び製造業(北部)を見捨てたのである。
散人のカブリオレはローバーがホンダと提携していた時代に設計製造された逸品である。エンジンなどの主要部分はホンダが製造し、内装トップなどは英国で仕上げた分業製作。デザインとコンセプトは日英共同開発であるコンチェルトという車がベースとなったと聞いている(この車は日本ではまったく売れなかったが徳大寺氏は高く評価していた)。パワーがあるホンダのエンジンは信頼性があり、何と言っても内装の英国調がとてもよかった。どんなに気分が落ち込んだときも電動トップを下ろして外気と一体になって走るといっぺんに元気になったものだ。
今回これを手放すことにしたのは(息子にやる)、散人の年齢のおかげ。ホイールベースの短いローバーでは長距離がどうしても疲れるようになってしまったからだ。寄る年波には勝てない。英国ローバーが元気の良い中国企業の傘下に入るように、散人のローバーも若者に面倒見てもらった方がよいのであろうと思う。